WEBサイトを発展させる4つのフェーズ
筆者の経験上WEBサイト発展のプロセスは以下4フェーズに分かれているのではないか考えている。WEBサイトを発展させるための方法は、現在そのサイトが属するフェーズによって変わってくる。
1)ビジネスが出来る状態にもっていく。
分析や解析などの文化があまりない企業において、まず行うべきことはそのサイトでビジネスが出来る状態に持っていくことである。ビジネスが出来る状態とは、サイトが存在するビジネス上の目的や定量的な目標、KGIやKPI等を明確化させ、解析ツールを導入し、解析や分析、投資に対する費用対効果の明確化が出来る状態に持っていくことである。まずは今後サイト発展させていくための土台を整え、その後に次のステップに移行する。
2)データから定量的、定性的な問題解決を行う。
1)のステップが終了した後にやるべきことは、定量的・定性的なデータからサイト上の問題点を発見しそれを改善していくことである。当初想定したユーザー行動等の仮説から外れていることは多々あり、サイトをローンチしてある程度データが集まるとその仮説が正しかったどうかを判明させることが出来る。もし仮説が正しくなかった際はデータ上に異常値が現れ問題点として顕在化する。問題点が明確であれば、基本的に問題点の裏返しを行うことにより解決することが出来る。
3)ベストプラクティスを探しPDCAを回す。
サイトの上の問題解決を継続的に行うと、データからでは大きな問題点が見えなくなるフェーズになる場合がある。解析ツールを網羅的に見ても異常な値が見つからず、ユーザビリティテストを行っても特に問題点が発見できない。そのようなフェーズでは、問題発見と解決を行うのではなく、よりサイトのパフォーマンスを高めていくためにベストプラクティスを探すフェーズに移行する。当フェーズでは遷移率の高いバナーのA/Bテストや多変量解析、一般的に知識として蓄積されているサイト改善のベストプラクティス等を実施し、サイトに寄って最もパフォーマンスが上がる施策を探求していく。
4)戦略面での発展を行う。
3)のフェーズに移行したサイトはベストプラクティスを探しパフォーマンスを最大化しながらも、今後の顕著な発展を期待するためには戦術だけではなく戦略面での発展を考えていくべきだろう。例えばより潜在層のユーザーをターゲットと定義しコンテンツを構築したり、ビジネス領域を拡大しサイトを別業界で横展開したり、ユーザーのニーズから新商品を開発しサイトでプロモーションを行ったりと、WEB戦略ないしはビジネス全体の戦略を発展させていくフェーズに至るのではないかと考えている。戦術の最適化はあるタイミングにて効率が低下するため、それがビジネス的に成功しているのであれば大きな戦略発展を行うことがより効率のよい手段になる場合がある。
4つのフェーズを考慮してどのようにサイト改善を行うべきか?
現在自社のWEBサイトのフェーズがどこにあるのかを明確化し、フェーズに最も適した方法で発展していく必要がある。発展の順番を間違えると効率的ではない投資を行ってしまう可能性がある。例えば具体的な目的や目標が決まっていない段階では、サイト最適化の方向性もわからないし、サイト内部に明らかにユーザビリティの低いポイントが存在するのにバナーのA/Bテストに時間と金を投資するのは非効率的だ。
WEBサイトは適切なタイミングで、適切な手法を用いて効率よく発展させていく必要がある。
今回のポイント
1.webサイトの発展には4つのフェーズがあり、プロセスごとに行うべき手法は異なる。
2.自社サイトのフェーズを見極め、それに沿った手法で効率的にwebサイトを発展させる。
3.場合によっては戦術の改善ではなく、戦略面からビジネスを発展させる。