これからの外部リンクビルディング方法
スパム的な外部リンクに対するシビアなチェックと、それに伴う具体的なペナルティが行われていることは過去の記事(Googleが広範囲な外部リンク購入サイトにペナルティを科し始めた)で記載した。
但し現状googleにおいて外部リンクにおける評価ウェイトが高い以上、何らかの方法で外部リンクを集める必要がある。
これからの外部リンクビルディングは、1)上位表示を狙う特定のサイトのために作りこまれた外部リンク 2)アルゴリズムの隙をついた外部リンク 3)ナチュラルな外部リンク という3つの方向性に分かれていくと思う。
以下、これらについて考えていきたい。
1)上位表示を狙う特定サイトの為に作りこまれた外部リンク というのは、現在も存在しそして今後さらにオーソドックスになっていくと思われる手法だ。
つまり上位表示を狙う特定サイトと同質テーマでかつ、そのサイトへのみ外部リンクを掲載するサイト群を構築する。サイト群でリンクファームと認識されないようなネットワークを形成し、かつ定期的な更新を行い、”外部リンクへの外部リンク”を掲載する。(それはサテライトサイトを作るようなイメージで、一つ一つの質を高める。丁寧に作り込む。)
複数サイトを作る必要があるので、構築が容易で、テンプレートも分けやすく、かつSEO的な設定を行いやすいwordpress等で構築するとよいかもしれない。
恐らくこれはGoogleに外部リンクと認識されるリスクが低く、かつある程度効果も望める現状最良の”意図的な外部リンク施策”だろう。しかし、問題点としては外部リンクサイト群の構築コストとサイト運用のランニングコストがある程度掛かり、少ないSEO対策費用では維持できない。ある程度コストを掛けることができ、外部リンク購入のリスクを出来るだけ少なくしたいならば、この方法を選ぶべきだろう。
2)アルゴリズムの隙をついた外部リンク はまだ存在する。明らかにスパミーな手法で検索エンジンのアルゴリズムの隙をつき、かなりの効果を発揮しているものもある。しかしGoogleはそれらを排除するために尽力していて、リスクがとても高い。たとえ現在効果的であっても、googleの外部リンクフィルターに引っかかることにより、ただ単に効果が無効化されるだけではなく、具体的な順位下落ペナルティを受け得る可能性がある。
ネットからの集客率が高く、検索順位下落で収益が大幅に減少する企業であれば、まず選ぶべきではない。この手法を企業が選択するのは、他の方法が使えない場合の最終手段のみだろう。スパミーな外部リンクは明確なビジネスリスクになり得る。
3)ナチュラルな外部リンク を集めると聞いて、それができたら苦労はしないと考える人も多いだろう。確かにナチュラルに外部リンクを集める、というのは困難な作業だ。独自性や差別性がないサービスを行なっていると、通常ナチュラルな外部リンクは集め辛い。
しかしある程度SEO対策にコストを掛けることができ、かつナチュラルな外部リンクを集めうる独自性(または差別性、権威性)を持ったサイトであれば、ナチュラナルな外部リンク構築は本気で考えるべき施策だ。
どのようにナチュラルな外部リンクを構築するかといっても、それはサイトによって様々であり、これだ!というような方法は存在しない。外部リンクを集めうるコンテンツを常に発信していくしかない。
そのための外部リンクビルディングのブレストミーティングを月1度ないしシーズンに1度行うと良いだろう。自身のコンテンツの見せ方を変えたり、ネット上でシーズンに因んだ販促キャンペーンを行ったりし、その度にプレスリリースを配信して認知度を高める。それで外部リンクを集められる可能性は十分にある。
また積極的に情報発信しているサイトであれば、サイトのソーシャライズ化は必須だ。過去記事でも書いたように、今後はソーシャルメディアがSEOに占めるウェイトは更に高くなると思える。ソーシャライズ化しシェアされると、それがナチュラルな外部リンクと認識されるし、また外部リンクとは別の指標でソーシャルバズを発生させたコンテンツが高評価を受ける可能性もある。(この辺りは過去記事(ソーシャルメディアが今後SEOで更に重要になる理由)を参照してもらいたい。)
重要なのは上記3手法を、単純に効果やコストの面から比較してはいけない。ということだ。リスクという評価指標を加えて、自社にあった外部リンクビルディング戦略を選ぶ必要がある。
例えばサービスに差別性、独自性、権威性があったり、ある程度ユーザーが訪れるサイトだったりすれば、意図的な外部リンク購入はやめて、”3)ナチュラルな外部リンク”構築のための施策を本気で考えるべきだろう。これに該当しないサイトで、SEO対策に比較的コストを掛けられるのであれば、”1)上位表示を狙う特定サイトの為に作りこまれた外部リンク” を考える。そしてこれら全てに該当しないのであれば、最終的な手段として、リスクを認識した上で”2)アルゴリズムの隙をついた外部リンク” を考えてみる。またもし”2)アルゴリズムの隙をついた外部リンク”を利用する場合は、最大限リスク回避方法※1を把握しておく。しかしこれはあくまで最終手段だと考えておく必要があるだろう。
※1 外部リンクのリスクを最大限回避する方法は、1)SEO業者から掲載解除できる外部リンクのみを掲載させる。(また外部リンクを掲載する際、リダイレクトページを一枚仲介しておき、リダイレクト設定削除により、全ての外部リンクの掲載をなくせるようにする。)2)外部リンクリストを確実に保管しておく。等
いかに自社にマッチした外部リンクビルディングを行うか。それを適切に選択するためには、ただSEO業者に施策の全てを任せるのではなく、たとえ外注するとしても担当者はSEOに関する知見を持たなければならない。