Googleアナリティクスを使う上で最も重要な「データの見方」
Googleアナリティクス(以下GAと略)を使いこなす際に最も重要なことは、データを見るためのロジックではないかと考えている。理由としては例え具体的な操作方法や機能を知識的に理解していても、データの大きな見方が分からずGAを使いこなすことが出来ないユーザーが非常に多いためである。またもしデータの見方を理解していればそもそもGAだけでなく様々な解析ツールや、様々なデータの意味を知ることが出来るようになる。
データ分析モデル1:全体から細部に降りていく
例えばある日急に訪問者数が増加した時、どのようなフローでGAを確認するだろうか。
良くやりがちな方法として、この段階でいきなり特定の検索ワードの訪問者数や、参照元サイトの流入数の増減を比較するやり方である。いきなり具体的な細部からデータを見ると、変化点の可能性が無数にあり全てを見るのに時間が掛かるし、そもそも分析に漏れが発生する可能性が極めて高い。
そのためデータは全体から入り、因数分解して細部に降りていく。そちらの方が遥かに精度は高く、そして効率的に分析することが出来る。
訪問者数を因数分解すると、検索流入と参照流入とノーリファラーからの流入に分解できる。サイトの訪問者数に増減があったときは、まずこの流入元毎に期間Aと期間Bを比較して実際にどこの流入元から訪問者数が変化しているのかを明確化する。
例えばそれが検索流入だった場合は、更に検索流入を因数分解して有料検索と無料検索に分解する。再度流入元毎に期間Aと期間Bを比較し有料か無料、どちらの値に変化があるのかを見ていく。
結果として無料検索からの値が増加していると明確になった場合は、期間Aと期間Bの流入ワードを数十~数百程度取得し、具体的にどのワードがどれだけ増加しているかを把握する。流入ワードが明確化した場合は、増加しているワードをグルーピングして傾向を分析する。これだけでサイトの変化の理由はかなり明確に見えてくる。
この時重要なことはデータの実際の値をメモしながら、下の項目に降りていくことである。そうしないと全体の増減数と細部の増減数にきちんと整合性が取れているのか分からなくなってしまう。
後述するサイト変化の仮説が明確で無い場合は、基本的にこのモデルでデータを分析していく。
データ分析モデル2:仮説検証モデル
訪問者数の増減が何らかの施策を打った後等、その理由に明確な仮説がある場合、仮説を証明するために最初から細部のデータを見てみても良い。仮説があり変化点の当たり付が出来ている場合は、それを確認することが最も効率的だからだ。
但しこの際も注意しなければならないこととして、全体の増減と細部の増減の値に整合性が取れているかを確認する必要がある。データをメモしながら進まないと、例えば細部の変化が全体の増減の半分程度なのに、整合性が取れていると思い込んでしまう可能性がある。
今回のポイント
1.データは全体の大きな流れから、細部に降りておく。
2.データを見る際は値を取得しながら進めていき、常に整合性が取れているか確認する。
3.もし変動の仮説が明確である場合は、効率化のために細部から入り仮説を証明しても良い。
データの見方のコツがつかめれば、GAだけではなく全てのデータを分析できるようになる。