インハウスSEOが上手くいく組織のポイント
今回は筆者がインハウスSEOを実践している企業複数社から話を聞いたり、支援したりした結果、気が付いたインハウスSEOが成功しやすい組織の傾向を紹介する。
インハウスSEO成果を出すためには。
インハウスSEOで重要なことはSEOの施策を実践することも勿論そうだが、それが実践しやすいような組織構造を整備することも挙げられる。
インハウスSEOが適切に実施され、かつ効果も出している組織は組織自体を取り組みに最適な形に変えたり、あらかじめ実施しやすい組織だったりするケースが多い。
ポイント1:社内でSEOが適切に啓蒙されている。
SEOの重要度が高く、かつ投資的な側面を理解している組織であればインハウスでの取り組みを行いやすくなる。むしろこの土台がない組織はインハウスでSEOを実施していくのは極めて困難だろう。
もし組織の啓蒙自体から始める必要がある場合、一つの方法論として早めの成功体験・大きな危機意識が重要になる場合がある。
まず初めにSEOで小さくても早い成功体験があれば、社内での期待度が上がることが多く、その後様々な施策を任せてもらえるようになる。仮に成功体験がなくとも、大きな危機意識が共有されていれば、それだけで組織を動かす原動力になる。
ポイント2:スピーディーに動き、小さくトライ&エラーできる。
現在のGoogleのアルゴリズムを完全に理解している人は、恐らく誰もいない。
SEOとは何かを決定する際の判断の軸をどこに設定するかによって大きく施策の方向性が変わる。
過去の傾向から客観的なデータを用いて判断するのか、またはユーザーファーストを軸においてユーザービリティの観点で判断するのか。
これは僕の経験則だが、どれだけデータを集め客観的に分析しても、SEOは過去の傾向だけで将来が判明しないことが多々ある。
そのためまずは施策のアイデアを思いついたら、分析もそこそこに小さくトライ&エラーしてすぐに検証できる組織は強い。
ポイント3:組織の特性が上手く活かしている。
SEOをWEB内の事象だけで完結させるのではなく、自社組織のビジネスモデル上の強みを活かしている組織は強い。
強みを活かすとは例えば、自社内の情報リソースや人的リソースなどの資産を上手に活用し、SEOを実施している組織のことである。
例えば自社にて営業力が強いのであれば、営業が企画したコンテンツを構築したり、営業側で良く聞かれる質問をコンテンツにしたりすることもできるし、そもそもエンドクライアント自身にコンテンツを構築してもらう仕組みにすることも出来るかもしれない。
また自社内で大量のメディアを保有したり、リアルで情報媒体を所有していたりすれば、それをいかにSEOに活用できるか考える。
いかに自社の持つ強みを活かしてSEOを推進していくのかは極めて大きなテーマである。
ポイント4:セクショナリズムの壁が少ない。
セクショナリズムの壁が少ない企業も強い。セクショナリズムに阻まれて、望んでいる施策が出来なかったり、そもそも部署間で施策の結果やノウハウが共有されていなかったりする組織が多々あるため、大きな差別性になる。
※特段セクショナリズムが強い組織では、部門別組織の部門毎に別のSEO業者を雇っていることもある。
セクショナリズムの壁が強ければ強いほど、スピードが遅くなり、施策に制限が出来る。
調整のための資料作成にリソースの大半を奪われたり、別部署の蓄積したノウハウが使えなかったり、自社の資産を利用できなかったりする場合があるからだ。
中長期的に見れば、最適な組織構造がなければインハウスSEOで継続的に効果を出していくのは難しいだろう。
繰り返すとインハウスSEOで重要なのは、サイトの改善もそうだが、いかにインハウスを推進できる組織に変えていけるかどうかにある。
現在の制約条件を加味して、理想像に少しずつ近づくためには、何を実施する必要があり、誰を説得する必要があるのかを見極めて、徐々に組織を変えていこう。
ここまでのまとめ
・インハウスSEOはサイトの改善だけではなく、組織力が極めて重要。
・SEOが啓蒙され、危機意識を持ち、スピーディーにトライ&エラーが行える
企業は強い。
・セクショナリズムが少なく、組織の特性を活かしたSEOが出来れば強い。
・もし現状インハウスSEOが実施しにくければ、徐々に組織を変えていく。