ソーシャルメディアが今後SEOで更に重要になる理由
ソーシャルメディアは有用なwebサイト評価ツールとなるため、検索エンジンはサイトの順位付けを行う際に、これらのデータを参考とするウェイトを高めていくだろう。今後ソーシャルメディアは、検索エンジンがサイト評価を行う上で最も重要視する要素になるかもしれない。
今やソーシャルメディアは(各プラットフォーム合わせると)公開ブログ総数以上にユーザー数が増加し、ソーシャルメディアの声がネット上のマジョリティとなっているといっても過言ではない。
そしてその利用者数や特性から検索エンジンが特定のサイトを評価する際に、最も有用なツールになる可能性がある。具体的な理由は、1)利用者数の多さ 2)情報の信頼性判断が容易な事 3)情報共有頻度の高さ だ。
“1)利用者数の多さ” に関しては、今更説明するまでもないだろう。Facebookやtwitter,mixi等の「sns利用者」は既に国内でキャズムを超え、公開ブログ数に匹敵する値となっている。殆どのソーシャルメディアプラットフォームが公開ブログ総数以上の利用者を持つのもそう遠くはない。
※1 公開ブログ総数は2008年1月の時点で1690万。(総務省情報信白書より)過去記事でも書いたが、比較してfacebookは1000万ユーザー、twitterは1400万ユーザーとなっている。(但し比較年度は異なるので参考値となる。)
“2)情報の信頼性判断が容易な事” というのは検索エンジンがサイトの評価付けを行う上でかなりメリットの大きな要因だ。
Googleはより正確なサイトの評価をおこなうために、秀才エンジニア達を使いシステムを発達させていった。このシステムのアルゴリズムにより自動的にサイトのランク付けを行い、検索順位を決定する。殆ど全ての作業を機械的に行い(もちろん一部は手動処理もあった。特定サイトにペナルティを与えるとき等。)、それ故に、リバースエンジニアリングとしてアルゴリズムが分析され、SEOスパム的な手法が横行し、業者とアルゴリズムとのイタチごっこが行われていた。
しかしこれがソーシャルメディアからの情報の取り入れることにより大きく変わる。
ソーシャルメディアのアカウントやそこで発信・共有される情報は、そもそも人の目でシビアな評価を受けている。(それはシェア数やフォロワー数、いいね数等によって判断できる。)
それらのデータを信頼性把握に用いる検索エンジンは、サイト評価の一部を膨大なソーシャルメディア利用者に、クラウドソーシングすることが出来る。
つまり検索エンジンがどれだけシステムを構築しても叶わないだろう、”人による評価”をソーシャルメディアデータの利用で行うことが出来るのだ。時勢はかつてGoogleがもたらしたサービスのオートメーションではなく、無数の人々へのクラウドソーシングに移り変わっている。
“3)情報共有頻度の高さ” というのは、ソーシャルメディアを使っての情報発信の容易さによるものだ。もともと個人サイトやブログなどを用いて定期的に情報発信することは、ある程度ハードルが高かったため、共有される情報母数が少なかった。ソーシャルメディアの情報発信容易さにより、共有される情報量が圧倒的に増えた。今まで情報発信源は一部の人間のものだったのが、かなりの層まで広がったのだ。つまりかなり広範囲な人間からの評価データを集めることが可能になり、情報数が増えれば精度も増す。
これらの要素を持つソーシャルメディアからのデータを使えば、検索エンジンはより正確にサイト評価を行うことが出来るようになる。そのためシステムを欺いて比較的偽装しやすかった、”別サイトからの外部リンク”によるサイト評価のウェイトを下げることが可能になり、外部リンクペナルティが与える影響を極めて小さく出来る可能性がある。そしてソーシャルメディアを利用してスパムはとても行いにくいのだ、何故なら上述したように人の目を介した評価を行っているから。(この仮説ではソーシャルメディアでの共有等は通常の外部リンクと別指標のアルゴリズムとして考えているため、そもそもnofollw属性の有無等は関係ない。)
サイト評価を容易に行なえ、かつネット上のマジョリティであるデータを最大限重要な要素として検索順位を決めるのは必然ではないかと思う。
※但しソーシャルメディアからの情報も完全ではない。その特性上共有されやすい情報とされにくい情報があるので偏る可能性がある。そのためもちろん複数の要素を加味して検索順位を決定する。ただしソーシャルメディアという指標のウェイトが高まると、他の指標は相対的に力をなくすのだ。
ソーシャルメディアの利用者が更に増加することは確実だし、検索エンジンはそれに比例してソーシャルメディアへの依存度を高めサイトの評価付けを行うだろう。サイトのソーシャライズ化は集客という観点からだけではなく、SEOに必須となる可能性がある。
Pingback: sphinn.jp