Googleが広範囲な外部リンク購入サイトにペナルティを科し始めた
11/17~11/18にGoogleの検索結果が異常な変動を見せた。具体的には、数多くのサイトにて特定キーワードでの検索順位が急落した。また同日に、定点観測していたSEO用外部リンク群にてインデックス削除も起きている。恐らくこれは、過度にSEO対策を行なっているキーワードに対して、Googleがペナルティを科しているのだろう。
情報を集めているが、特定のSEO業者単位ではなく、かなり広範囲に同じ状況が発生していると思われる。外部リンクに対するペナルティは今までもあったが、ここまで広範囲かつ顕著な順位変動を見せるケースは稀なのではないだろうか。
また今回ペナルティを受けたサイトを調べると、例えばある業界でブランド名の強い所謂”オーソリティサイト”と呼べるようなサイトも容赦なく圏外に落ちていることが分かる。この見事なまでの(ある意味潔い)落ちっぷりから、ただ単純に外部リンクの効果がなくなったのではなく、具体的かつ明らかな順位下落ペナルティが科されていることがわかる。
Googleはかなり本気で SEO用外部リンクにトドメを刺そうとしているのだろう。
※ペナルティを科されたサイトの順位変動例。11/17に検索順位が急落している。
調べてみると、今回順位が大きく下落したサイトの多くは、過去にウェブマスターツール上で、”不自然なリンクに関する警告”が来ていたことがわかった。※1
つまりGoogleは予め” 不自然なリンクに関する警告”とアナウンスしたサイトに、警告から数ヶ月経過したこの段階でペナルティを科したのだ。
またgoogleは10/21にオフィシャルブログ上にて、再審査リクエストへの回答の頻度と内容を高める旨のアナウンスを行なっている。”不自然なリンクに関する警告”と再審査リクエストの精度向上”は今後広範囲なサイトで、具体的なペナルティを科すことへの布石だったのではないか。
※上記”返信頻度を高める”等のアナウンスから、ある程度早く再審査が行われる可能性がある。11/17~11/18の間でサイトの順位が大幅に下がったのであれば、直ぐに外部リンクを外し再審査するべきだ。
※1意図的な外部リンクに対する警告メール。今年初めからウェブマスターツール経由でサイトオーナーに送られてきている。
今まで、Googleは”SEO用外部リンクを大量に集めても、明らかに順位を下げるような具体的なペナルティは科さないのではないか”と考えられることが多かった。何故ならそれが可能なら、競合サイトに意図的に外部リンクを掲載して、意図的なペナルティ(つまり逆SEOと呼ばれる行為)を発生させることが出来るからだ。
しかし今回は広範囲なサイトで明らかにペナルティ的な変動が見受けられたので、上記の仮説は外れたことになるだろう。では「逆SEOはできるのか」と聞かれると今回のケースではNoということが出来る。理由は、サイトへのペナルティと同時に前述したように外部リンク群のインデックスも消えているからだ。サイトにペナルティを与えると同時に外部リンクのインデックスを消すことによって、その段階でリンクの効果を無効化し逆SEOさせないようにしたのではないか。
※こちらは外部リンクのインデックス数推移例。定点観測していた大量の外部リンクで同様の推移が見て取れる。
厳しすぎるペナルティで、適切な検索結果が表示されない可能性
僕が定点観測していたサイトの中で、今回明らかなペナルティを受けているある大手企業のサイトがあった。11/16の時点ではあるビッグキーワードで上位にいたが、11/17の時点で100位以降に急落している。しかし業界でブランド力のあるキーワードは、上位にあるのが望ましいのではないか?多くの企業やSEO業者は暗黙の了解的にスパムSEO手法を使っている。ネットからの集客割合の高い企業で、外部リンクを購入したことがない、またはSEO業者に依頼したことのない企業はむしろマイノリティなのではないか。
GoogleがそれらのSEO行為に対してシビアにペナルティを科すことによって、長期的にスパム的なSEO手法はなくなるだろうが、短期的にはむしろ検索結果が乱れる可能性がある。
これからSEOはどうなるのか
ナチュラルに外部リンクが集まる仕組みを考えたり、ロングテールキーワードでの集客チャンネルを作ったりと、普遍的なSEOが重要なのは今更言うまでがないが、全てのwebサイトがそれを行えるかというと、正直微妙だと思う。
ある程度サービスに独自性があり、Webに関する専門知識(またはコンサルに依頼できるほどの資金)がないと、実質SEOは行えなくなるのではないだろうか。それらがない業者は、むしろ中途半端にSEOなんてやらないほうが良い、なーんて状況になるかもしれない。(外部リンク購入によるリスクのほうが大きいので。)
小さなクライアントを扱っていたSEO業者は淘汰され、よりコンサル的な業者が残ることになる。SEOはWebマーケというより広義な概念との境目を無くしつつある。
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