google+ではユーザーの空洞化が発生している。
ニールセン・ネットレイティングスは11月1日、google+国内ユーザー数が225万人に達したと発表した。これで国内3.6%のユーザーにリーチしていることになるという。
※引用:ニッセン・ネットレイティングス インターネット利用動向調査
3.6%という割合は、採用者分布曲線で言うとイノベーターを超えアーリーアダプターに差し掛かった段階になる。
facebookが国内で300万人超えを達成したのは2010年12月の時点だったので、日本語化された2008年5月から約2年半必要だったことになる。
google+はfacebookが2年半かかった工程を2011年6月28日のローンチから、約3ヶ月というスピードで達した。
※但しfacebookの利用ユーザーはそこから顕著な伸びを見せ、2011年9月時点で1000万人に達している。現在国内でのユーザーリーチは23.1%となり、既に日本ではキャズムを超えていると考えられる。
これらのデータを見ると、今後もgoogle+が十分にシェアを伸ばしうる可能性があるように思える。
しかし本当にそうだろうか。
一つ気になるデータがある。
米Chitika Insightsの報告(※1)では、Google+が9月21日に一般公開された後、一時的に利用者は増えたもののその後、新規利用者の60%はgoogle+の利用を辞めている(つまりアクティブユーザーになっていない)という。
確かに以下google insight for search(※2)のデータを見ても、Chitika Insightsの報告を裏付けるかのような推移となっている。
※1 http://insights.chitika.com/2011/failure-to-launch-google-growth-spurt-short-lived/
※2 google insight for searchでは特定のキーワードの検索数推移を調べることが可能。
google insight for searchのデータ
一般公開された9/21に検索ボリュームは突出しているが、そこからは一般公開後も、一般公開前と同等の検索ボリュームしかない。
上記はfacebook,twitterとの国内検索ボリューム推移の比較だが、実際のユーザー数の差以上に、google+は検索ボリュームが少ないことが分かる。ここからgoogle+の圧倒的な話題性のなさが分かる。
google+への導線は豊富であるため利用者は増えるが、利用モチベーションに繋がらない
上記の状況を生み出している要因として、既存GoogleプラットフォームにはGoogle+への豊富な導線があり、膨大なgoogleユーザーはそこからgoogle+を利用するが、それだけでは継続的な利用モチベーションに繋がらないことが考えられる。
確かにgoogle+は便利なプラットフォームだが、使い慣れたfacebookやtwitterを辞め、(または平行して)google+を利用するだけのメリットが思い浮かばないのだ。
それでもgoogleは顕著にgoogle+への導線を増やし続ける。(最近インターフェイスが変更されたgoogleリーダーやgmailを見れば、google+との明らかな連動性の向上が見て取れる。)
この状態が続けば、google+のユーザーは増えるが、アクティブユーザーは増えない。
つまりユーザーの空洞化が起こることになる。
これからgoogleは更に既存の膨大なプラットフォーム群を利用して、google+への導線を作り続けるだろう。しかし導線だけではなく、ユーザーが継続的にgoogle+を利用するためのモチベ喚起となる”何か”を作らないと、空洞的にユーザー数を増やすのみとなり、ネットワーク外部性は高まらない。
googleは自社のsnsに何らかのキラーコンテンツを作る必要がある。またはページCEOの映画を撮る必要がある(嘘