Googleは「後出しジャンケン戦略」で、全てのテクノロジー企業の競合となる
シリコンバレーを中心としたテクノロジー志向の企業が増えてきてから、Googleはサービスの”後出しジャンケン戦略”が多くなってきた。
“後出しジャンケン戦略”とは、流行しているテクノロジー系のサービスがあるとすると、Googleはそれと同質のもの(または利便性やUIを高めたもの)を後発でローンチし既存企業のシェアを奪おうとする戦略のことだ。
Googleがサービスを始めると、1)既存のgoogleサービス群との連動 2)価格破壊を起こすことが出来るため、かなり有力かつユーザーを集めやすいプラットフォームとなる。
既存のサービス提供側としては、せっかくサービスが軌道に載ってきた段階で、Googleが新しいサービスを参入させてくることになり、シェアが奪われ良い迷惑である。
※もちろんGoogleだけではなくブランド力がある企業が時流のサービスを始めることは多々ある。
それはブランド力がある企業は、サービスのローンチと同時にユーザーを集められる可能性が高く、参入が比較的容易であるからだ。
これらとgoogleの違う点は、1)過去に構築されたサービス群への連動性 2)超間接的な収益モデルによる価格破壊 3)高い開発能力によるサービス利便性向上 がある点だ。つまり既存のサービス群と連動し、利便性と価格に差別性もった恐ろしいサービスをローンチしてくることになる。
例えば上記の戦略をとられたサービスは、SNSであるGoogle+,グルーポン系サービスであるGoogle offers,ペイメントサービスであるGoogle Checkout,位置情報サービスであるGoogle Latitude 価格比較サービスであるGoogle shopping等など、、その他多数ある。
いくらテクノロジー志向の企業といえど開発能力でGoogleと対抗できるところなんて極少数だから、Googleが参入する前にいかに先行者として優位性を築いておくかが勝負の分かれ目となる。
ただ現在Googleが後発したサービスはイマイチ利用されないケースも多い。それはマーケティングが下手だからか、テクノロジーは先行者インパクトが大きいのか。但し短期的な勝敗ではなくサービスを増やせば増やすほど他プラホと連動性のメリットが高まって、ユーザーが長期的な視点で増加していく可能性もある。
しかし今後Google後発のサービスに、オリジナルのものよりユーザーの集まるスキームが整えば、全てのテクノロジーがGoogleに収束されてしまう可能性がある。これはとても恐ろしいことだと思う。
テクノロジーで時代を作った先進的な企業は、今は過去に形成した膨大なネットワーク、超間接的な収益モデルで、他サービスを潰していく。
一般的な企業は、技術的にも価格的にもブランド的にもサービス連動性でも叶うわけがない。
それはまるで既得権益で圧倒的に参入障壁を高くする他産業の大企業と同じだ。
まさにIT界のラスボス。
いずれにしろイケてるサービスをgoogleが潰すようになったらちょっと住みづらい世界になってしまうと思う。
全てのテクノロジー志向の企業は将来的にgoogleが競合になる可能性があると考えておく必要がある。
逆に言えば、Googleの競合って、全てのテクノロジー系サービスなのだろう。