SEOでどのように競合と戦っていくか。
多くのサイトがSEOに取り組んでいる今、ただ閉じた世界でサイト改善していくのではなく、競合やユーザーに視点を向け戦略を検討していく必要が出てきた。今回はSEOで自社の戦略を考える際の一つのモデルを紹介する。
SEOは大手と中小では戦い方が異なる。中小はブランド力やドメイン、コンテンツなどにが豊富な大手と同じことをやっても、勝つことができないばかりではなく、検索結果10位以内に入れないことは多い。
例えば以下のように業界のキーワードを9つのマトリクスに分類して、どこを狙っていくべきか考えてみる。
縦軸は検索ボリュームで分類している。今回は大・中・小で分類しているが、可能であれば検索ボリュームの軸は、業界のキーワードボリュームの分布状態から定量化する。
横軸はユーザーのフェーズを潜在層・準顕在層・顕在層に分けて分類している。潜在層(購入意欲が低い)、準顕在層(購入意欲が湧いてきている)、顕在層(購入意欲が高い)に分類している。ユーザーのフェーズは定量的に分類することが難しいが、過去流入時のCVRなどからあえて定量化してみたり、何かしらルールを決めることで分類することが出来る。
上記の中で1)の領域は、検索ボリュームが大きく、かつ顕在ユーザーの検索するキーワードである。極めて重要度の高いキーワードであるが多くの場合競合が過密状態にある。またそもそもこのエリアに該当するキーワードは、存在しない可能性もある。
どのエリアを狙っていくべきか。
1)から6)まで番号を振ったか、ブランド力の高い大手と中小では、狙っていくエリアを変えると良いだよう。
1)から3)のエリアは多くの場合、極めて競争過密なレッドオーシャンになる。このエリアを積極的に狙っていくためは、以下の質問を客観性を持って答える必要がある。
そもそもエリアにまだ未取得のキーワードがあるのかどうかと、そのキーワードにおいて競合に勝てる角度が高いと証明できるかどうかである。
仮に上記が満たせるようであれば、1)から3)の番号の順番に市場を攻めていけば良いだろう。これは強者の戦い方である。いかに網羅的に市場を優先度高いエリアから潰していけるのかを考える。また1)の中でもさらに特定の領域に強みがある場合、その領域を獲得した後、横展開して市場を攻めていく。
逆に上記を満たせない場合は、4)から6)のブルーオーシャンから狙っていく必要があるだろう。ブルーオーシャン領域はキーワードのバリエーションが多く、まだ大手競合が獲得していない部分が残されている可能性はある。
またはもう一つの戦い方として、競合の持っていないような全く新しいキーワード市場を発見したり、市場創造する方向性もある。そもそも競合がSEOを実施していない市場を狙うため、勝ちやすいが、この発見にはユーザーの深い理解や、未開拓に挑戦するリスクテイキングが必要になるだろう。
エリアによって訴求方法は異なる。
狙っていくエリアが決まったら、エリアのユーザーに対する訴求方法を考える。
通常潜在層から顕在層に向かって、キーワードのバリエーションは少なくなっていく。キーワードのバリエーションが多くポテンシャルはあるが、購買意欲の低い潜在層エリアでは直接の成約を訴求ふるのではなく、まずはリード獲得や認知度拡大を目的とする。近年流行っているコンテンツマーケティングの考え方である。
また同じ要領で準健在層には比較などを促すコンテンツ、顕在層には少ないステップでcvできるコンテンツを用意する。
これで自社の戦う戦場と、戦い方を決めることができる。
今回はSEOで競合と戦っていくための一つの戦略の考え方を紹介した。
特にプレイヤーが多く、SEOへの投資額も大きい旅行や不動産、小売、人材業界などは自社の戦い方を考えないと、厳しい戦いを強いられることは多いだろう。重要なのはSEOも自社に合った戦い方を選択する必要があるということである。
今回のポイント
・SEOには大手と中小では戦い方が異なる。競合とユーザーを注視し、自社に合った戦い方を選択する必要がある。
・キーワード9つのマトリクスで分類し、強者はいかに重要度高いエリアから市場を獲得していけるか、弱者はいかに潜在層の豊富なキーワードバリエーションを獲得していくか考える。
・攻めるマトリクスのポイントにより、コンテンツの目的や訴求方法を変化させる。