インハウスSEO担当者の悩みベスト3!
最近はインハウスでSEOを実施する企業が増加し、インハウスSEOチームや担当者を社内に配置する企業も増加してきた。SEOコンサルからのインハウスチームへの転職や、畑違いの分野からチームにジョインするケースも増えてきているだろう。
インハウスSEO担当者という仕事は、一つのサイトのSEOを成長させていくという大きなやりがいに満ちたものでありながら、そのやりがいに比例するように多くの悩みを抱えてしまうものである。
今回は筆者が様々な企業のインハウスSEO担当者やサービスの提供側と情報交換して得た、インハウスSEO担当者につきものの悩みベスト3を紹介する。
もしあなたがインハウスSEO担当者になるのであれば、以下の様な悩みを抱えていくことになるだろう。
1)何をすれば最適なのかわからない悩み
社内でインハウスSEOを実施する際、最初に問題になるのは、アウトソーシングしていた頃のようにノウハウを提供してくれるパートナーがいないことである。インハウスでSEOを実施するためには、技術的な改善やキーワードマーケティングなどのノウハウが必要であり、多くの場合ノウハウというのは実践をもとにした経験則の重要度が高いので、短い期間に身につけるのは困難だ。
またSEOのPDCAを回すための指標や仕組み化が未経験では困難なこと、中長期的にどのような戦略でメディアを成長させていくべきなのかの発展プランが描けない等、何をすれば最適なのか?来年は何をするべきなのか?か分からないことへの悩みは往々にして付きまとう。
SEOで特に迷うのが決断である。
2つの方向性があり、どちらにもある程度の合理性があったとき、SEOは定量的な比較が困難な場合が多く、どちらを選ぶかの決断には大いに悩むことになるだろう
またインハウスでSEOを実施している多くの場合、社内に専門知識を持つ人間が少なく、悩み相談や情報共有する相手がいないため孤独な戦いを強いられることになるだろう。
2)組織の壁で施策が実施できない悩み
セクショナリズムの壁や、経営層のスタンス、社内でのSEOの認識不足によってSEO施策が進まないことは多々ある。
セクショナリズムの壁は高く、例えばある組織規模の大きな会社では事業部ごとに競争意識があり、それぞれに別のSEO業者をパートナーとしている事例があった。それぞれの事業部が別事業部には情報を共有しないようにしているとのこと、これは極めて非効率だろう。
経営者にSEOが止められることも多い。経営者の多くは綿密なシミュレーションを算出し、数値ベースで会社の戦略を決める場合が多いため、数値的な裏付けが客観的になり辛いSEOに大きな投資をしない選択をする場合が多々ある。
確かに費用対効果の大小が定量的に判断できないものに、大きな投資を行うのはSEOによっぽど関心のある経営者だけだろう。
また社内に旧来のSEOの価値観が根付いており、それが障壁になる場合も多い。
旧来の価値観の多くはSEO=特定のキーワードの上位表示だと考えているため、
ビッグキーワードでの順位上昇等彼らにも目に見える成果を評価指標にしてしまう場合がある。インハウスSEO担当者によって、特定のキーワードの順位のみで成果を図られてしまうのは本意ではないだろう。
3)リソースが足りない悩み
最後に良く聞く悩みはリソースの足りなさである。これが発生する原因として、インハウスSEO担当者の仕事のカバー範囲は広くなる場合が多いためだ。
SEOの調査・分析は勿論のこと、企画やワイヤー作成、実施のディレクション、テスト環境での反映確認、効果測定、施策のメソドロジー化等の作業や、社内調整や社内啓蒙等の組織的なタスクも行わなければならない。
何しろSEOの範囲は極めて広いのだ。上流にいくと会社のマーケティング戦略まで口を出すことになる場合もある。
上手く業務範囲を定義しないと、リソースがカツカツになってしまい、本来時間を割くべきSEOの戦略策定部分がおざなりになってしまう可能性がある。
上記のようにインハウスSEO担当者に悩みはつきものである。予め自分の組織で問題となりそうな部分を定義し、そのための解決策を考えておかないと、いつの間にか首が回らなくなってしまうかもしれない。
適切に対処すれば多くの悩みは解決するだろう。
しかし組織の壁等極めて修正困難な問題が発生している場合、それでも変えようとするのか、割り切って出来るだけのことをするのかは貴方次第である。
今回のポイント:
・インハウスSEO担当者の良くある悩みは1)何をすれば最適なのかわからない悩み,2)組織の壁で施策が実施できない悩み,3)リソースが足りない悩み の3つである。
・1)何をすれば最適なのかわからない悩みは、ノウハウ不足、PDCAを回す仕組み不足、また中長期的なメディア発展戦略を描けないことが原因となる。
・2)組織の壁で施策が実施できない悩みは、セクショナズムや経営者・社員のSEOに対するとらえ方が原因となる。
・3)リソースが足りない悩みは、業務領域の定義を見誤ることが原因である。